過去イチ最悪だった片麻痺が、過去イチ最高の状態まで回復した初動負荷トレーニングⓇ-ワールドウィング本部合宿5回目

合宿レポート
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今回の合宿は、2024年7月に行われた。

合宿2週間前くらいから、褥瘡がかなり大きくなって、取れそうだったので、皮膚科で処置をしてもらったのだけれども。その後が痛すぎて、10日ほど片脚移動の期間が続いた。

その直後の、合宿。なので、合宿前日の脚の状態は、すこぶる悪かった。それこそ歩けないほどに。

前日

今回は、17時過ぎくらいに株式会社ワールドウィングエンタープライズ(以下、ワールドウィング本部)に着いた。

今回は、研修生の方々がタイミングよくロビーにいて。部屋まで荷物運ぶの手伝ってくださった。優しい。

ホテルの方とコーチたちにご挨拶をした後で、軽くマシンで動かした。

1週間ぶりのマシン。ほんまはもっと提携施設に行きたかったんやけど、せっかくの合宿でまた褥瘡こさえて行くのが怖くって。この1週間はほぼ家から出ず、歩かずに静養してた。

やからか、やはり動きが硬い。まあ、運転疲れもあるんやろうけれども。

そして夕食後、硬くなったからだを解すために、プールへ。

メニューは30分のほぐしメニュー。

  • W-up:SKPS×1set
  • Drill:
    └フィンガーチップクロール50m
    └ショルダータッチクロール50m
    └ヘッドタッチクロール50m
  • Main:25m×8本(40s)×1set
  • Sub:200m×1set(イーブン)
  • CDN

そのあと部屋に戻って、くつろぎながら考えることは。

俺の麻痺って、20年前に脳出血したことがきっかけやけれども。

風邪の時には熱を上げることによって、ウイルスと戦うのと同じように、この麻痺も脳出血によって起きた何らかの不具合に対する、いわばコーピングの1つなんじゃないかなと。

そんなことを思いながら、前日は過ごしていました。

初日

まずは、褥瘡が痛いのを菰田コーチに報告して。

水泳でのほぐしに向けた、ウォーミングアップとして、午前中を使う。

ペルビスやスキャプラをこなしていくうちに、だんだんと足趾の状態がフワッとなっていくのを感じて。

ヒップジョイントが終わる頃には、褥瘡を除去する前の、良い感じの歩行ができるまでに戻った。

多分やけど、皮膚科で褥瘡を除去した時の痛みで、足趾かかなり内反するようになってたんやと思う。

その後、プールに行って、30分練。

  • W-up:SKPS×1本
  • Drill:SC50m、Pull50m
  • Main:25m×8本(40s)×1set
  • CDN

そして午後は、しっかり目にトレーニングをしようということになり。

けどそれでも、初日はまず準備運動みたいな感じで、とのこと。焦らない、焦らない。

そういうところでも、菰田コーチと歩調が合ってきて、いい感じ。嬉しい。

ペース配分的な。そういう魂の共鳴?みたいなのが嬉しい。

んー、無言の会話、みたいな?
喋った方が情報量は少ないと分かっていながら、どうしても言葉に頼りがちやけれども。

配分についても、レースマネジメントと同じで。4日間ずっと全力じゃなくていい。力を抜く。一息つく。

20代はガムシャラで突っ走ってきたけれども、もう30歳になったので。

押さえるとこは押さえた上で、力を抜く。そういうフェーズなのかもしれないな。

あとは、やっぱり言葉数は減らしたいよね、と。

あんまり喋らないようにしたい。人と話すのが好きで、ついつい語ってしまいがちやけれども。

昔、大学卒業の時にある教授から伝えられたように。

「君は喋りすぎる。一言でいい。その方が重いし、残る」

相手の人生を慮り、経験に寄り添い、智恵と対話し。そういったことをすべてを悟った上での、一言。

そういう言葉が使える大人になりたい。

2日目

昨晩は、やや寝不足。

午前中のトレーニングでは、今日も午後に向けて動かした。

片脚けんけんの影響で張ってた右膝裏の腓腹筋の張りは、ペルビスの旋回なしで、細かく直線運動することによって解消。細かくといっても、カムボックスは動く程度が目安。

狙ったとこを当てるように動くと、気持ちがいい。

午前のトレーニング後、プールに行ったけど閉まってた。悲しい…

午後は、小山先生から直接、新しいスキャプラの動きを教わる。

首に当てるスキャプラ。

これをすると、首がとても楽になるらしい。嬉しいな。

たしかに、全体的に柔らかくなった気がする。

左肩をやる時には、やはり三角筋中部に動きの抑圧があって。

小山先生にきいたところによると、肩関節を動かして三角筋中部の動きをよくするのと、側屈を使って動かすのと、どっちもやった方がいいとのこと。

そして、小山先生の佐賀公園のお話を聴いて。上半身と下半身との連動について学んだ。すごいなぁ。

上を動かしていくと、歩けなかった人が歩けるようになったりするらしい。はっはーん。すご。

なんか、これまで以上にゆったりとマシンを使えばいいんやな、と感じた。マシンへの信頼感?的な。

そしてこの日は初めて、無限マルチを10分以上できた。嬉しい。

夜は、眠すぎる。今日は早く寝よう。

からだの状態は、今までで1番いい感じ。凄くいい。

2日前は、これまでで最悪の状態やったのに。振れ幅がすごいな。おもしろい。

3日目

この日の午前中のトレーニングで感じていたことは。

理想の動きをしたいなと。

けれども、特に左側については、理想の動きのイメージが湧かないなと。うーん。

どう動かしたら、その動きのラインを通せるのか、わからない。

多分、からだの機能的には、もうそれができそうな気配を感じてるんやけれども…イメージがない。

どうしたものか。

午後も引き続き、これまでの復習と新種目の習得をしていたところ、小山先生がいらして。

左肩をやるときには、もっと肩を外す(腕と肩を分離させる?)、肩を入れて、腕が遠くなるように、とのこと。

つまり、前鋸筋に当てる。そして、三角筋前部にも当てる。

その後、ランジの姿勢(右脚前)で、左肩を横に動かして(かわしながら)、三角筋後部に当てる動きを。これがめっちゃいい。いい感じで緩む。

なんか、今日のキーワードは『外す』やった。

それから、この日誌を記録してマルチをしようとしたところ。小山先生に研究棟へと誘われる…!なになに、ワクワク…!

研究棟のスキャプラにて、左肩から脚への促通について、学んだり研究したり。

そのときに、不思議なことに左足趾がほとんど屈指しなくって。小山先生と共に感動して。すごい、すごいなぁ。

そして、今回も延長となりまして。嬉しい!

なんと、9日間のトレーニングに!すごい、すごいなぁ。

実のところ、15日にはadoのライブがあったけれども。正直なところ、確かに行けないのは残念ではあるけれども(ファンなので)。それでも、betするタイミングは間違いなく、今、ここなので、悔いなし!ライブには来年行きましょう。来年のライブでは、緩んだ脚で飛びまくってやる笑

引き続きゆったりやっていきましょう!

4日目

この日の朝イチには。脚の、というかからだ全体の筋肉の柔らかさが増しているような心地がした。

まさに、昨日、先行刺激となる前鋸筋を狙いまくったからじゃないかなーと。

午前中は、ふっとスキャンという装置を用いて、足底の重心移動を計測した。

右脚は、踵を過ぎた辺りで重心が止まってて。これはおそらく、左脚の状態を確認したり、そのまま接地できるように調整する時間っぽいなと。

そして左脚も、踵着いた後らへんで調整が入る。

この調整が必要なくなって、スムーズに運べるようになったらいいな、していきたいな、と。目標?ほどでもないけど、可視化されたことによって、よりイメージが持てた。

午後は、小山先生に歩行を見ていただく。

左にからだを振って、バランスを崩して歩く練習。このときに、左脚が出し足のときに崩すパターンと、引き足のときに崩すパターンの、2パターンがあるらしい。

おそらく、バランスを崩した状態でも、戻せる。痙縮が出ないための練習なんだと思う。

これが、なかなか難しい。イマイチ掴めない…。わかんないと、明日小山先生に素直に伝えてみよう。

頭では理解してるけど、からだがわかんない感じ。

おれは、出し脚でも引き脚でもなく、足底に重心を乗せるときに崩そうとしてるな。そもそもが違うのか。

そーいえば、午後のトレーニングで小山先生、ふくらはぎの話をされていた。

膝より大きくしたらイカンのだとか。

ふくらはぎは大きくしない方がいい、とのこと。

下腿三頭筋が大きくなると、各分室の合成重心の位置が下に下がって、脚が重くなる?重く、じゃないか、うーん。重心が低くなるから、上げづらい、みたいな感じか。

合宿前の褥瘡除去の影響で、2週間くらい片脚けんけんが多かったからか、ふくらはぎが急激に大きくなってきてて。

最初は嬉しかったけど、この話聞いたら、そうやないんや!と。気付かされた。

気を付けましょう。

5日目

22時30分就寝、7時30分起床。程よく眠れた。朝起きなければ、のプレッシャーが今朝はなかったので、よりゆったりと休めたんやと思う。

なんたって今日は、10時30分スタートになったので。

右膝裏の筋肉痛?ほどではないか、張りが強いなと。これは、寝てる間にも張ってるのを感じてた。

左脚は、うん、柔らかい。

というか、寝てる時にも力が抜けているのがいい。

これまでやったら、常時底屈状態に入っていたので。それが今や、布団の中ではノーマル状態。すごいなぁ。ほんまにすごい。

この日の午後は、菰田コーチにケアをしていただいて。

ケア中のお話の中で、小山先生の言葉が「左側にバランスを”崩す”」という表現が興味深いという話になって。

バランスを整える、調整するではなく、バランスを”崩す”。

崩すって、どういうことなんだろうと。

何を崩すんだろう。

これまでの習慣を崩す?脳のベースを崩す?常識として当たり前としてきたことを崩す?

崩すへの興味が生まれた日でした。

ちなみに、正直なところやっぱりこの「バランスを崩す」はまだまだ腑に落ちないっす。

力を抜くときも必要なんだ。

いつも全力じゃなくていい。

今のキーワードは、”抜く”。そしてあと、”崩す”か。

6日目

今日は皆生トライアスロン大会の日ですね。みんながんばれー!

朝の調子は、回内動作で足趾を緩めるのも、手を添えずにできるようになってきた。これが歩行の動きの中でできるようになったら、歩きながらも緩められるのかな、とか。

午前中に小山先生がいらっしゃって。

歩行の仕方を教わる。

左脚を回内させて、右側へと振る、そして接地。

この歩き方を習得したら、歩くたびに指を緩められそうやなと。指だけじゃなくて、足首も。いいな、すごい。

というか、この動きができるようになってるのがすごい。すごいなぁ、12月のマルチ半骨盤からの伏線。

そして、この歩行はランに繋がっていくとのこと。楽しみ。

2パターンあることを学ぶ。崩すからの歩行と、安定からの歩行。これは午後やろうねとのこと。まだわかんない。

午後は小山先生から、佐賀講演のお話を聴いて。

やっぱり、前鋸筋が大事なんや。

APAの先行刺激のスタート?が、前鋸筋。肩から動かす。肩甲骨で歩く。

たっちゃん(金田先生)とも話して。肩を使うともっと歩けるよ、とのこと。

たしかに、半身麻痺は肩周りも拘縮しがちやなと。小山先生にそのことを話したら、その通り。やからこそ、肩から歩く。

なんか、この辺りがバランスを崩すに繋がっていきそうやなと、思った。

そうか、バランスを崩すことによって、APAにより前鋸筋が誘発されるのか…!!そういうことか!やから、先に崩すんやな!バランスを崩すことに恐れはいらんのや。前鋸筋からスタートする、姿勢制御を信頼したらいいんや。というか、それで歩くんか…!!

すっご、今ようやく繋がった。

それから、みんなで階段トレーニング。骨盤揚げて昇り降りするやつ。

小山先生曰く、もっと左骨盤を上げていいとのこと。はい!

それから、目線についても教わる。目線は下を向くと、指が曲がるらしい。正面やや上を目線にするとよいとのこと。

指曲がる!そやったんか。

いっつも、足元が不安で、接地が痛くないか怖くて、地面見ながら歩いてたけれど、それが屈指を誘発していたとは。アホやないか。

もう、今日から下見るのは止める!前、いや、やや上を向いて歩こう!(坂本九かな)

また、ペルビスの代わりに屈伸。重力を活用したトレーニング。

股関節伸展スクワットという。

骨盤をスライドさせるスクワット。膝は爪先から出さない。骨盤スライド。つまり、ランに繋がっていくやつ。

あれやな、坂を骨盤先行で上げながら走るやつに繋がってくイメージ。

骨盤のスライドで、スクワットする。

これがすごい。この動きこそ、歩行やラン、ジャンプに繋がる。

膝でジャンプするんじゃないんやな。骨盤を上げるだけなんや。ぴょーんと。

この股関節伸展スクワットを30回して、本日のトレーニングは終了!!

7日目

この日の朝は、からだの緊張がもうどーでも良くなるほど緩んでる。

adoの曲を聴きながら朝から気分良く過ごして。

実は、今日が大阪でやるadoのライブに行く予定の日やったのです。

合宿が延長になったので、もちろんこちらを優先したわけで。でもだからこそ、今日は曲聴きながらノリノリで過ごすのです、にっ。

そして今日は、落としめの日で。軽めにとのこと。

小山先生からの指示に則って、ペルビス20kg5分ずつ、ヒップジョイントクロス25kg5分ずつ、外旋マルチ10分を2setやったり。

これは、中殿筋と小殿筋を狙いたいトレーニングとのこと。

途中で、荒川コーチがadoの曲をかけてくださって、すこぶる元気になりました。嬉しい、ありがとうございます!!

小山先生によると、1年前とは肩の位置や目の位置が変わったとのこと。

全然、自覚ないけれども、、

目と顎は連動してるらしい。

今日は、そんな感じでした。

そして夕食後、久しぶりに外に出たけれど、昔の習慣が戻るのか、歩き方が変わる。戻る。指が痛くなる、褥瘡。

これはいかん!と気付き、すぐ股関節外旋回内で緩める。。が、なかなか上手くハマらない。

やはり、外界は焦るからなのだろうか。。

そして帰宅後にまた気付き。少し外に出ただけなのに、左腕を背中に巻き付けるあの癖が出てるなと。ここ数日間、施設内で暮らしてるときには全く出なくなっていた、あの反応。

そうか、前鋸筋か!!

前鋸筋をきっかけに。というか、APAによる前鋸筋司令を期待して崩す。その意識で、そのきっかけで、またいつでもここに戻せる。そして、新しい習慣を身に付けていく。そういう意識なぁと。

8日目

朝のからだの調子は、昨日と変わらずすこぶるよい。これがスタンダードになりつつある。

前鋸筋を止めない意識で、今日も朝から動く。

今日はハードにやる日とのことで。

小山先生がいらっしゃってから、諸々のチェックをしていただいた。

前鋸筋は、呼吸にも関係してるとのこと。おもしろい。

小山先生と一緒に、メインメニューとなるヒップジョイント2000を15分(右)、たしか15kg。これがキツい。汗めっちゃかいた。

コツは、脚で押すのではなく、骨盤の回旋を使うこと。それによって、脚はほとんど使わなくてよくなる。。ん、日本語の表現がおかしいな。

使わなくてよくなるというか、、脚でやらず、骨盤で動かす、ということ。

その後、左もトライしてみるけれど、指が落ち着かない。曲がらない状態でも、滞空で不安定になって、屈指することで安定させようとする感じ。

あと、初めて左脚の違和感を感じた。ああ、この違和感こそが麻痺なのかもしれない。

ハムストリング?かな、違うかな。左太腿裏の内側寄りが、気持ち悪くて。それを安定させようと、指が暴れてるイメージやった。

きっと、普段歩いてる中でもこの気持ち悪さを解消する手段として、痙縮を使ってるんかな、とか。

最終日

最終日の午前中には、次の合宿までに継続していくメニューを確認して。

午後には小山先生からハーゲンダッツをいただきました。

そしてその後、イチロー選手のシューズを拝見したり。小山先生が履いてらっしゃる靴に足を通してみたり。

この辺りの感触や感覚は、ライブ的なもので。言葉にはできないけれど、すごかった。

そして、普段からハイカットも履くようにしようと思った。

その後も、小山先生と色んなお話をして、最終日は終了しました。

からだで聴いて、落ちた言葉は、なかなか言語化できないけれど。それでいい。

そして、秋のレースについては。

やはり、これまでの装具を付けるとなると、あの訳の分からん靴を使うことになるし、ということは指枕も使うことになるし。やりたくないなと。

1度、装具付けて走ってみて、無理なことを確認して。秋のレースには出ずに、長期的な目線でやっていこうということになりそうです。

この後、色々と考えた結果、ロスパラリンピックへのポイントを貯めていくためにも、多少無理してでも出ようという結論に至りました。

そして夜、ご飯食べて、部屋に戻って。

お風呂に浸かってるときに、足趾がめちゃめちゃゆるゆるなのに気付く。

これまで、朝でも夜でも、ずっと指に力が入っていたのに、今ではもう、ふにゃふにゃのゆるゆるで。

すごいなぁ。

夜トレーニングが終わってからの歩行が、いつも調子のいい朝の状態の歩行と同じように、指や足首が緩んでて。何か1つ、越えた感覚。

いい感じ!すごい!

最終日の夜は、そんな感じで過ごしました。

ワールドウィング本部合宿⑤-まとめ

合宿前日には、これまでで一番最悪な状態じゃないかというほど、からだが拘縮して歩けなかったのが、9日間のトレーニングを通じて、今までで最高に緩んだ状態になっていました。

ほんまにすごい。

この調子で、からだに力みのない状態で、秋に向けて励んでいきましょう!

ではまた、次回の更新で!

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