パラアスリートとしての想い

実をいうと僕には、自分が障害者であるという感覚はほとんどありません。

ただ、社会のシステムとして、当事者たちが必要とするいろんなサポートを提供するために作られたラベル、それが障害者というカテゴリなんだと思います。

僕からしたら、障害者というラベルはある意味、都合がよかったりもします。

いろんな形で、ギャップを使えるからです。

手足が自由に使えないのに、すこぶる明るい、とか。

麻痺があるのに、アスリートとして競技をしている、とか。

パラアスリートとしては、そのギャップをもっと使っていきたい。

ついこの間まで8年間も車いすに乗っていたのに、パラリンピックでトライアスロン選手として街中を走っている。かっこよくないですか?感動しませんか?勇気、もらえませんか?

きっと、力を届けることができると思うんです。

…届ける?与える?違うな。

エンパワメントです。empowerする。みんなが生まれながらにして持っているはずの本来の力を、僕が走っている姿を届けることで引き出していく。そしてこの日本という本来力強い国を、エンパワメントしていく。それが僕の最終ゴールです。

日本をエンパワメントする。

その目標に向かって今日も僕は、日々鍛錬しています。