2003年12月20日。
僕は当時通っていたスイミングスクールのプールサイドで倒れました。
今でも少しだけ覚えています。
その日はバタフライの練習の日で、ウォーミングアップがてら軽く泳いでいるときに頭痛がしたこと。
それでプールサイドに上がって、しばらくしてからトイレに行ったこと。
そしてトイレから戻ったときに、なぜか目の前まで近づいてきていた飛び込み台。
そこで記憶は途切れています。
脳動静脈奇形。略称をAVM(Arteriovenous Malformation)といいます。
10万人に1人が発症し、2019年から小児難病として指定されました。
…10万人に1人ですって。人口1億人の日本国内だけでも1000人の仲間がいる。個人的にはあんまり難病って感じがしないんですけど、まぁ確かに。病気を発症する前と発症した後とで、僕の生活はガラリと変わりました。
がらりと変わった生活内容は端折りますが、ともあれ僕は晴れて、障害者となったわけです。
どんな障害がある?
ところで話は変わりますが、障害者っていう言葉をなんで、「障がい者」って言ってみたり、「障碍者」って書いてみたりするんでしょうね。
当事者である僕からしたら、すこぶるどうでもいいことです。
そんな細かいことでごちゃごちゃ言うのは、決まっていつも外野で。当事者からしたら、そんなことよりも教育機関をどうにかしてほしかったり、医療機関をどうにかしてほしかったりするわけです、ええ。要はもっと実益につながることをですね、、まぁいいや。
さて、AVMを発症した当時の私は、座ることすらできませんでした。
左脚は膝が曲がり切ってしまい、太ももがずっと胸にくっついている状態。足首は伸び切ってとんがっているし(底屈状態、尖足とも)、すべての指がギュッと、握りっぱなし(屈指という)。
そして腕はというと、指は足と同様、握りっぱなしで、左腕全体が背中側に巻き付いた状態でした(いつか図にしてみます)
まぁ、ようするに左半身が屈曲位で硬まっていたわけです、ええ。
それからはどんな状態?
それを、自分で無理やり伸ばしてみたり、タオルを握ってみたり、ギブスで無理やり伸ばしてみたり(激痛でした)、まぁ色々やった結果、車いすには乗れるようになったわけです。
そして、いろんな過程を省略した結果、よくやった、おめでとう。リハビリして歩けるようになりました。
とはいえ、長距離移動が難しいのが当時の状態でして(足の指が曲がった状態で歩くと爪がもげる)。
そのため、高校生のころから再び、移動手段として車いすを使うようになりました。
そしてその後、トライアスロンと出会うまでの8年間は車いすと共に生活する日々を過ごしました
トライアスロンと出会って歩けるように⁉
トライアスロンと出会い、スポーツ用の補装具を履くようになってから、自分の脚で歩ける行動範囲が広がりました。
トライアスロンを始めた次の年には、マレーシアにいる友だちにも自分の脚で会いに行けたほどに、身体の状態はいい方向に向かいました。
マレーシア、どんな街か知ってますか?
首都のクアラルンプールにいる友人に会いに行ったんですが、クアラルンプールには歩道がほとんどありません。つまり、車椅子では行けない国なんです。
いつか必ず会いに行くと約束した友人。
でも、従来のままでは会いに行けなかったはずの友人。
そんな友人にまた会えたのも、トライアスロンに出会えたことがきっかけでした。
今後の夢や目標は?
そんな僕には今、夢のような目標があります。
2028年のロサンゼルス(アメリカ)か、2032年のブリスベン(オーストラリア)で、パラリンピックに出場すること。出場競技はもちろん、パラトライアスロン。
トライアスロンという競技は、とても奥深いんです。
1つの種目だけトレーニングしても、速くはなれない。
巨視的な視点で、全体で最適化していく。そんな奥深さがある競技です。
そしてこれは、パラリンピック出場選手として選ばれた先の話なんですが、パラリンピックに出るからには金メダルを取りたい。パラリンピック出場をゴールにはしたくない。
そして、今は名も無きパラアスリートのそんな夢物語を、できることなら、あなたと一緒に紡いでいきたい。
トライアスロンという競技は決して、1人でやる競技じゃないんです。
日々の練習も、1人ではなかなか強くはなれません。
レースのときも、自分と向き合いながら走ってる間にも、一緒にトレーニングした仲間のことや、応援してくださるみんなの顔が、声が、心に響くんです。そしてそれが力になる。
確かに、1人でも速くなることはできるでしょう。
しかしながら、自分1人だけで強くなることはできないんじゃないかと、僕は思います。
僕にはあなたの応援が必要です。
僕と一緒に、世界の舞台で輝く夢を追いかけませんか?
少しでも力になりたい…!と思ってくださる方は、下記記事をご覧ください